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「おとうさんがほしい」

Gさんと会わなくなって、一年ぶりにひとりの日曜日を過ごした。

セカンドオピニオンの話を進めたいのに、気力が湧かない。


昼すぎに目が覚め、軽く食事をした後、
一日何をして過ごせばいいのかさっぱり分からなくて、ふらっと買い物にでかけた。

家族連れやカップルで賑わう中、私はひとり歩いていた。

何を思ったのか、普段なら選ばない綺麗な柄のブラウスを買った。
とても素敵で「これは勝負服だな」と思った。

その瞬間、「これを着て一体誰に見せるの?」と思ったら急に虚しくなってしまった。

華やかに着飾って、それで誰に愛されるというの?


それから「ああ、私は家族が欲しいんだな」と思った。

なかでも私は「おとうさんがほしいんだ」と。


10代から父には甘えられなくなった。

私は自殺しようとしていた父に殺されそうになった。
父は母を毎夜殴り続けた。
そんな父を見ていた兄は父を殺そうとし、結果、両親は離婚した。

14歳からお小遣いすら親からもらったことが無かった。

15歳でアルバイトを始め、学費も結婚資金も車も、何もかも自分でお金を作ってきた。

水商売も派遣もして、こつこつ貯めていた数百万の学費も、親の借金に取られた。
今までいくら親にお金を出してきたんだろう。

海外旅行だってしたことがない。



18歳で初めて付き合った人は8つ上で、
それから同年代とは一度だけしか付き合ったことがない。

いつも亡き父の影を追っていたんだと思う。


Gさんも例に漏れず、父のような存在だった。

私に元気がないと、その週末にはレストランを予約し、
美味しそうに料理を食べる私の姿を、目を細めて見ていてくれた。

馬鹿な冗談ばかりを言って、少しでも笑顔にしてやろうとしてくれた。

私が行った事のないような場所にたくさん連れて行ってくれた。

いつもソファで、膝枕をして髪を撫でてくれた。

カウンセリングにも付き添い、待っていてくれた。

「foxyには人生を楽しむ義務があるんだよ」と言ってくれた。

自分では絶対買えないようなものを、私に贈ってくれた。

時間も気持ちもお金も、たくさんたくさん使ってくれた。


10代から、父に守られた事がなかった私は安心していたんだと思う。



普通の娘は、父のような年齢の男性とはセックスしないだろう。

でも私は、愛してくれなかった父が、
もし私の体を求めるなら抱かれてもいいとすら思っていた。

それくらい、私には価値がないんだから。

私は、狂っているんだ。結局。



家族が欲しい。

でも結婚しても皆、離婚している。


健常者でもうまくいかない。
私も障害のせいで迷惑をかけ、離婚を経験した。

じゃあ、一体結婚ってなんなんだろう?


何もかもが分からないし、私には何もかもが叶えられないような気がしている。


私はただ、おとうさんがほしい。

38歳にもなって、おとうさんがほしい。


それだけなんだ。







ずっと、コメントの返信ができません。
すみません。
皆さんいつもありがとうございます。
励みになります。
全て読ませていただいております。


by foxyborderline | 2017-05-29 15:14 | 日々 | Comments(5)
Commented at 2017-05-31 01:48
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by 27 at 2017-06-04 17:34 x
2012年9月から現在までの一連を読ませて頂きました。
「女性らしさ」が、障害によって拡幅されているのだな、と思いました。
関係を持たれた男性達も、「男性らしい」方たちだな、と思いました。
foxyさんも、男性達も、「人間らしさ」から寸分も外れていない。
foxyの「揺れの大きさ」だけが、一般的でない点かな、と思いました。
foxyさんが女性として魅力的なので、「女性らしさ」を刺激される機会が多いのでしょう。

同じことを沢山繰り返しておられますね。
「女性らしさ」を人より多く体験する人生なのだと思います。

必ず終わりは来ますから、これからも頑張って下さい。

Commented at 2017-06-11 18:21 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2017-06-12 15:03 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by とも at 2017-12-01 20:24 x
結婚は自立した人間同士が支え合い高め合いそして子孫を残し教育する行為です。
皆が皆、離婚はしていません。
私は愛着障害を持っています。
愛について常に飢えています。主人はできた人ですがそれでも人間なのでいろんな過ちを犯します。
私もいろんな過ちを犯しながらも二人で支え合い子供を支え合いなんとか継続しています。
二人で泣き崩れた夜もあれば決別を決意した朝もあります。
それでも私は主人を傷つけずに愛せる人間になれるように、主人は私を幸せでいいのだと思えるようにまだ足掻きつつですが支え合っています。
結婚に限りませんがパートナーとはそういうものです。
自分に何かをしてくれる行為を愛だと呼んでいるうちは何も変わらないと思います。
私もそうですが親が致命的に毒親です。
そこに愛を求めてももう何ももらえません。
もちろん、主人に求めても私が求める愛はもらえません。
辛いですがその事実を受け入れ、親からの決別をしなければ結婚を継続できるような愛情を得ることはできないと思っています。


境界性人格障害と躁鬱を抱える本人のブログ


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